ころんのひろば
達人
 
  この度,群馬県の活性化と次の世代への「エール」をテーマに『達人』コーナーを立ち上げました。
  現在群馬県でご活躍中の方々に様々なご提言を頂き,そのご提言が地域にそして次の世代の方々に
  大きなうねりとなって伝わり,変革への原動力になることを確信いたします。
  第1回は,群馬県の文化興隆に尽力されている日本ピアノホールディング株式会社代表取締役中森隆利氏に
  ご登場いただきました。
日本ピアノホールディング株式会社
代表取締役    中森 隆利 氏
『誠心誠意』は私の信条
私は、この「達人」コーナーの話を伺い、一言寄せてください
との依頼を受けました。当初、私はとても達人などと呼ばれる
に値する人間ではないと思いましたが、多くの失敗をしても
現在が有ることや、自分の信念に従って普通に生きてきた事が
参考になればとの思いからお受けしました。
 
私は静岡県磐田市で生まれ、大学進学のために初めて群馬に来
て、4年間の学生生活をしました。
卒業後、静岡県に戻り6年半ピアノの製造と工場経営に取り組
み、その僅かな期間に高度成長、不況、オイルショック、再建
など貴重な体験をしました。そして、学生時代の友人の協力が
あり、群馬で販売会社を創業して37年が経ちました。
その間、地域の多くの人に支えられて来ました。
 
この間に学んだ事や大切にしてきた事を5つあげてみました。
  1、学校の勉強は全て「役に立つ」
  学校の勉強は社会に出たら役に立たないとよく言われます。確かに丸暗記した知識は、そのままでは役に立
  たない場合が多いでしょう。しかし、学ぶ事からその仕組みを知り、自ら考える事を身につければ、実際に
  社会でどの様な事に出会っても対応できます。この「智恵」により自信を持って生きていけます。
  2、友人は一生の「宝」
  友人を得ることのできる最大のチャンスは学生時代です。もちろん、社会に出ても利害のない関係から得た
  友人は大切な「宝物」です。
  A friend in need is a friend indeed. 「まさかの友は真の友」
  私も決断や岐路に立った時はいつも助けられました。
  3、人の目は「前」についている
  人の目はなぜ前についているか?恵まれているのに失敗をする人の多くの原因が自滅だという事を身近な人
  から知り、その意味が分かりました。人は前向きに生きる以外にないのです。反省はしても後悔は意味が
  有りません。どんな人でも良い所を見ればみんな良い人です。自分自身も同じでしょう。
  悪い所を探して悩んだり、立ち止まっても意味が有りません。
  4、「誠心誠意」は私の信条
  私は特別才能豊かでも有りません。そして、人一倍恵まれた環境にいたわけでもありません。
  その私がここまでやって来れたのは「人を裏切らない事」と「人から頼まれ、受けたら精いっぱいやる事」
  で信頼して貰えたからと思います。このことで誰とでも上手くお付き合いが出来て幸せです。
  5、「感謝」は力
  自分が直接受けた恩恵に感謝する事は誰でも出来ます。大切なのは親や家族、友人、地域、そして、間接的
  に支えてくれている多くの人への感謝は欠かせません。出身地の違う私を温かく迎え、育ててくれた群馬の
  多くの方々への感謝に私の出来ることはと何時も考えています。そして、私の一番好きで、専門的に学んで
  きた文化的なことで依頼された場合には余程の事がなければ何でも引き受け、真剣に取り組んできました。
  もちろん、その殆どが身に余る大変なことでしたが、この感謝の気持ちは多くの人にも通じて一緒になって
  力を貸してくれ助けられました。またまた感謝の連続です。